有機化学II(2018)の評価試験結果について

・有効受験者数52名(受講者59名)
・最高点 103点(110点満点)
・最低点 16点
・中央値 75点
・平均点 70点
・不合格者数 20名(うち6名は評価試験放棄。1名は試験無効)
受験者数中不合格となったのは、25%でした。
下図に成績点に換算した際の点数分布を示します(講義で説明したように、試験の点数60点 = GPA1.0に換算し、成績を出しています)

また、私何点ですか?の問い合わせについては、この時期、オープンキャンパスや大学院入試等のイベントが多いため、すぐに対応できません。問い合わせたが、返事がなく、無視されていると思わないようにお願いします。

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よくできた学生と、できなかった学生との差が顕著でした。
80点以上の諸君はこの調子で、有機化学IIIについてもがんばってください!
自分で問題を解いてみよう。自分で分子模型を組み立ててみよう。

ノート持ち込み可としているためか、
試験中、必死でノートに書かれている解答を探す → そして写す という学生がいますが、そういう学生は、間違いが多いように感じます。
例)似た問題の答えを探し、そのまま写したために、まったく違う化合物の反応(化学反応に使われていない元素が書かれていたり、分子構造が違っていたりしている)を書いている。
例)図を文章で説明せよという問題に対し、文章は解答例どおりに一字一句間違わずに書いているが、図がめちゃめちゃ。
例)教科書の問題の解答例どうりに、R、S表示はあっているものの、その解答を考える際に利用したCahn-Ingold-Prelog priority ruleが全く違う。(R、S表示を正しく理解できているかを見るために書かせていますので、R、S表示があっていても、その過程が間違っている解答は0点としました。成績評価試験であって、確率1/2の運を試しているわけではありません。)
例)5名程度の集団の解答で、明らかに不自然な、普通で考えれば変だとわかる同一の解答がありました。誰かのノートを借りたんでしょうか? 伝言ゲームと一緒で、写し間違いの、さらに写し間違いだと感じました。

分子模型を持込可としましたが、試験中に分子模型を使う人が非常に少なかった。分子模型を使って考えれば、もう少し点数もとれたと思います。
キラルな分子については、分子模型を使って考えやすいように、シクロヘキサン環に関する問題を増やしていました。ノートから解答を探すのではなく、分子模型を組み立てれば解答しやすい。
Cahn-Ingold-Prelog priority ruleがあっているのに、Fischer投影式の罠に陥って、間違ってしまっている。分子模型を組み立てれば、理解しやすい。

演習の際に説明しましたが、「共鳴」だけでは理由になりません。カルボカチオンの不安定化の問題、どういう共鳴のどういう構造の寄与があるために不安定化になっているんでしょうか?このあたりは有機化学IIIの学習内容で非常に重要になります。この問題1題だけ難しいんですが、例年、正解者がいたにもかかわらず、今年度の正解者はゼロ名。とても残念。

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【合格できなかった学生さんへ】
今一度、こちらのページを読み、実践してください。

もし、一生懸命努力をした、それでも、なかなか結果を出すことができなければ、『努力すること』にしがみつかずに、『今のこのやり方で適切なのだろうか』『間違った努力をしているのではないか』その点を考えなおしてみよう。
トーマス・エジソンは、「天才は1%のひらめきと99%の努力である」という名言を残しています。
これは、裏を返すと、努力の方向性を間違えると99%が無駄になるという意味にもとれます。

効率的に楽をして単位をとりたいという学生さんへ
そもそも、努力の方向性を考える前に、楽をすることに注力しているんですから、結果が出る方が奇跡です。
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