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  • 単層カーボンナノチューブ光触媒による水からの水素製造
    • 1. はじめに
    • 2.1 半導体性カーボンナノチューブ
    • 2.2 半導体性カーボンナノチューブを光触媒材料に使う上での問題点
    • 2.3  SWCNTを光触媒材料に利用する解決法
    • 2.4 SWCNTを水に可溶な光触媒へ

    •  我々は,樹木状多分岐高分子であるポリアミドアミンデンドロンの焦点部位にフラーレンを持つフラロデンドロン(9) (図3)の光機能について研究を行ってきた.高極性溶媒に対するフラーレン誘導体の溶解度は極めて低い場合が多く,使用できる溶媒には多くの制限がある.フラロデンドロンの溶解性は,末端の官能基の種類と数に依存し,分子デザインに応じ,様々な溶媒に対する溶解性を付与できる.カルボキシ基(CO2-)を持つフラロデンドロンは水溶性で,過渡吸収スペクトルの結果から,可視光レーザー(532 nm)を照射すると,フラーレンのアニオンラジカル( max 1050 nm)が生成することが観測され,可視光照射下,水溶液中で光誘起電子移動が進行することを明らかにしている(10).そこで,フラーレンとSWCNTsとのπ-π相互作用を利用したSWCNTsの水への可分散化について検討した.
       SWCNTs (HiPco)に,フラロデンドロン水溶液を加え,超音波照射した後,遠心分離を行うと,SWCNTの分散溶液が得られる.その後,SWCNTと相互作用していないフラロデンドロンを透析で除き精製するとSWCNT/フラロデンドロン超分子複合体が得られる (図4)(11).図5aおよび図5bに,SWCNT/フラロデンドロン超分子複合体の原子間力顕微鏡(AFM)像と透過型電子顕微鏡(TEM)像をそれぞれ示す.AFMの高さプロファイルにより求めたSWCNT/フラロデンドロン超分子複合体の直径は,3〜4 nmであり,用いたSWCNTsの直径とフラーレンの大きさがそれぞれ約1 nmであることから,単層カーボンナノチューブを軸として,フラーレン層,デンドロン層という3層構造のナノ同軸ケーブル構造を形成していることが分かった.

    • 2.5  SWCNT/C60光機能界面の性質
    • 2.6 SWCNT/C60を用いた光触媒の開発
    • 2.7  様々な表面修飾カーボンナノチューブ光触媒を自在につくる
    • 3.おわりに
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